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HARIキーボード

 近年,スマートウォッチなど超小型タッチパネルを搭載したウェアラブルデバイスが普及し始めている.現在のスマートウォッチは時刻などの情報を親機であるスマートフォンから受信し,スマートフォンを取り出すことなくその情報を閲覧する事が主な使用用途である.しかし,メールやチャットにおける返信など,閲覧だけでなく文字入力を行いたい場面が多々ある.
 現在主流である音声での文字入力は,手を使わずに入力が可能であることや話す速度で入力が可能であるなどの利点があるが,認識精度の問題や声を出しづらい静かな環境での使用ができないなどの点でソフトウェアキーボードでの文字入力の方が優れている.しかし,ディスプレイが小型である為,既存のスマートフォンや PC の文字入力インターフェースでは快適に入力することは困難である.
 そこで,超小型タッチパネル端末向けに,ディスプレイを最大限利用し,ワンストロークで日本語入力が可能な文字入力インターフェース,HARIキーボードを開発した.
 先行研究であるZoomboard,HARI キーボードと似たインターフェースを持つ Move & Flick との入力速度を比較する実験を行った.その結果,3 分間の平均入力文字数は 66.4 文字であった.これは,ZoomBoard の 80.1文字に次ぐ文字数であった.短い学習期間であったが,平均値において Move & Flick より優れた結果を得られた.長期的な学習期間を設ければより速い入力速度の実現が期待できる.
 以下にHARIキーボードがAndroid Wearデバイスで動作している画像を図1に,入力方法を示したアニメーション画像を図2に示す.

※ HARIキーボードは齋藤航平氏が独自に開発していた入力手法であり,奥研究室が支援して学会発表を行ったものです.

 

図1 HARIキーボードがAndroid Wearデバイス上で動作している様子の写真

(a) 清音入力

(b) 濁音入力

(c) 半濁音入力

(d) 記号・メニュー等入力

(e) 例文入力

図2 HARIキーボードの入力方法のアニメーション

動画 HARIキーボードの動作の様子

参考文献

  • 齋藤航平,奥寛雅 : HARIキーボード:超小型タッチパネル端末向け日本語入力キーボード,第20回一般社団法人情報処理学会シンポジウム インタラクション2016 (科学技術館,東京,2016.3.3)/インタラクション2016論文集,論文ID 2C55,pp. 701-703​

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